育休期間、最長2歳まで延長可能に

いやいや期真っ最中の息子に毎日てこずっている、
社労士事務所 給与・総務担当の鈴木亜規です。

今回は子育てにまつわるお話。
平成29年10月1日より、「改正育児・介護休業法」が施行され、育児休業期間が最長2歳まで延長可能となりました。給付期間も2歳まで延長となり、少しほっとしている働くママも多いのではないでしょうか。
あれ?日本の産前産後・育児休業ってどのように定められているのだろうかと疑問に思った方はいらっしゃいませんか。


日本の産前産後休業
はじめに、出産前後に関わる産前休業と産後休業について考えてみましょう。

産前休業とは
出産予定日より6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から取得できる休業を指します。注意すべき点は、本人の請求により会社が申請する点です。その為、本人が望めばぎりぎりまで働くことは可能であり違法ではありません。但し、現在の業務が母体に負担を与える場合には、業務内容の変更など、会社側が配慮すべき点はありますのでご注意ください。

出産予定日が遅れることもよくあります。こればっかりは、お母さんでもどうにもできません。例え出産予定日が遅れたとしても、出産日当日までは産前に含まれるため、結果的に産前休業期間が、6週間(多胎妊娠の場合、14週間)以上になることはよくあることです。

産後休業とは
出産日の翌日から8週間の産後の休業期間を指します。産後休業については、労働基準法で、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならないと規定されています。母体の安静を優先しての処置です。但し、産後6週間を経過した女性が復帰を請求した場合には、医師が支障のない業務であると認めた場合に限り業務につかせることは差し支えない、とされています。そのため、原則としては、産後8週間を経過しない女性を就業させることは違法。但し、本人が望み、医師からも支障がないことが認められれば、産後6週間からでも働くことは可能となります。

 

出産手当金とは
休業に関する事項ではないですが、出産のための休暇に対する生活保障として「出産手当金」が健康保険からもらえます。

健康保険に加入している人が出産のために仕事を休み、出産日(または出産予定日)以前42日(双子以上は出産日以前98日)から出産日後56日までの期間で、給与を受け取れない場合に、出産手当が支給されます。但し、申請ベースですので申請をお忘れなく。

給付額:休業1日に付き、標準報酬日額の3分の2相当額

*出産手当金の対象は女性に限られます。
*標準報酬日額
=支給開始日以前の継続した12カ月の各月の標準報酬月額の平均÷30日×3分の2

詳しい計算方法はこちら
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/honbu/g3/cat310/280201seidokaisei.pdf

出産手当金の給付対象は、健康保険の加入者であり、健康保険に加入していない方はこの対象から外れます。また、健康保険に加入していても事業主は原則対象外となります。

理由は、生活保障としてもらえる「出産手当金」は、産前産後休業を取りその期間給与の支払いがないことが前提のためです。事業主に対しては、産前産後休業の法律の定めはなく、役員報酬は休業している間も原則減額されません。よって、産前産後給与期間に給与の支払があるため、この給付条件を満たさず対象外となります。

 

育児休業とは
厚生労働省のホームページによると、
育児休業制度とは、「労働者は、申し出ることにより、子が1歳に達するまでの間、育児休業をすることができます(一定の範囲の期間雇用者も対象となります)。一定の場合、子が1歳6カ月に達するまでの間、育児休業をすることができます」と定めています。
厚生労働省のHPより http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/ryouritu/aramashi.html

今回の改正で変更になるのが、「1歳6カ月」までだった猶予期間が、再延長申請をすることにより最長「2歳」まで延長できるという点です。

2009年の育児介護休業法の改定で「パパママ育休プラス制度」が導入され、パパやママがずらして休業を取得できるようになり、子どもが1歳2か月まで育児休業期間を延長することが可能となりました。原則として、パパもママも、育児休業は子どもが1歳になるまでで、ママの場合は産後休業8週間の翌日から、パパの場合は子どもが生まれた日から取得が可能です。

また、下記のような事情により、子どもが1歳に達しても職場復帰できない場合は、育児休業を1歳6カ月まで延長することができます。

・保育園へ入所申請中だが、入園ができない
・配偶者の死亡・負傷・疾病などのやむを得ない事情により、子どもの養育が困難な場合

更に、今回の改正により、子どもが1歳6カ月に達してもなお保育園などに入れない場合は、最長2歳まで延長することができるようになりました。働くママにとっては嬉しい改正ですね。

尚、企業によっては、「子どもが満3歳まで取得できる」など、法律を上回る内容の制度を定めているところもあります。私が以前勤めていた大手製造会社の子会社も育児休業は満3歳まででした。法律だけに囚われず独自の制度を整えている会社もありますので、詳しくはお勤めの会社までご確認下さい。

 

育児休業給付金とは
こちらはお金の話。「育児休業給付金」とは、育児休業中の生活保障として雇用保険からもらえるお金です。こちらも、雇用保険加入者が対象です。

10月1日の改正に関連して変更されるのもこの給付金。今までは原則1歳まで、但し延長事由、例えば保育園に入れないなど、に該当する場合は1歳6カ月までの子を養育するために支給されていた給付金です。10月1日の改正により、この条件が、再申請することにより、最長2歳まで延長されます。

給付額
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 50%(育休開始後6カ月間は67%)相当額

*休業開始時賃金日額とは、休業開始日の前日(産休を取得した人が育休を取得した場合は、原則として産休開始前から)6カ月間の賃金額の合計を180で割ったもの。
*育児休業給付は、支給案件に該当する男性も対象です。

詳しくはこちら
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_continue.html#g2
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000169691.pdf

尚、この給付金は雇用保険加入者が対象のため、事業主およびそのご家族、会社役員など雇用保険加入者でない方はこの対象とはなりません。なぜなら、事業主及びその同居の親族、会社役員は、原則として雇用保険に加入できないからです。会社員と事業主では、差別があると思ってしまのは私だけでしょうか…

 

補足ですが、社会保険料も免除されます
産前産後休業期間中
(産前42日(多胎妊娠の場合98日)、産後56日のうち、妊娠又は出産を理由として労務に従事しなかった期間)について、健康保険・厚生年金保険の保険料が、ご本人分及び事業主負担分ともに免除となります。但し、本人からの申出により会社が年金機構へ申出書を提出する必要があり、提出期間は産前産後休業期間中です。また、給与の有無に関わらず、事業主や会社役員であったとしても、社会保険加入者であれば、保険料免除対象者となります。出産日にも寄りますが、約2か月間の免除を受けることができます。

育児休業期間中も、申出により、ご本人及び事業主負担分がともに免除となります。しかしながら、こちらは、事業主や会社役員は対象となりませんのでご注意下さい。

 

余談ですが、
認可保育園の倍率をご覧になったことありますか。私は、保育園が足りない!と騒がれているけど、実際のところどうなのだろうかと疑問に思っていました。私の周りのママは、ほぼ全員子どもを保育園に預けているし、少し大げさなのでは?と思っていました。しかし、江東区の認可保育園の倍率をみてびっくり!1歳児で50倍という保育園もあるのです。ほとんどの保育園が1歳児の倍率で10倍以上。これでは、入りたくても入れないのが現実だと思いました。

 

まとめ
「パパママ育休プラス制度」が導入されていますが、育休といえば、働くママの休業期間のように聞こえます。日本で、パパが育休を取得している割合はどのくらいかご存知ですか。厚生労働省の発表によりますと、2015年度の取得率は、女性が81.5%に対して、男性は2.65%のようです。日本でパパが育休取るのはなかなか難しいですよね。でも、フィンランドではパパの育休取得率が80%なんて聞くと、海外の産前産後・育休事情ってどうなっているのだろうかって疑問に思いませんか?
次回は、海外の産前産後・育休事情について書いてみたいと思います。

~給与計算・労務手続きはアクト労務経営センターまでご相談ください~

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