最低賃金改定
毎年10月に最低賃金が改定されているのをご存知ですか。
平成29年10月1日にも最低賃金が改定されました。
昨年度に引き続き最低賃金額は全国的に大幅増額となり、東京都では前年より26円アップの958円となりました。
最低賃金とは
学生やアルバイトなどの雇用形態に関わらず、全ての労働者に賃金の最低額を保障する制度です。最低賃金には地域別最低賃金・特定最低賃金の2つがあります。地域別最低賃金と特定最低賃金の両方が適用される場合は最低賃金の高い方の最低賃金で支払わなくてはなりません。 なお、派遣労働者は、派遣元の事業場の最低賃金を適用するのではなく、派遣先の最低賃金が適用となりますので、派遣元の使用者と労働者は派遣先の事業場の最低賃金額を把握しておく必要があります。
最低賃金以上か確認してみよう!
時給の方は計算する必要はなく地域別最低賃金・特定最低賃金の定められている金額以上であれば問題ありません。一目でわかります。
しかし日給や月給者の方は自分が時給換算したら一体いくらなのかわかっていない方も多いと思います。実際、私も昔勤めていた会社で自分の時給がいくらかなんて計算したことありませんでしたから。
では日給者、月給者はどのように確認すれば良いのでしょうか。
日給制の確認方法
日給÷1日の所定労働時≧最低賃金額
月給制の確認方法
月給÷月額平均所定労働時間≧最低賃金額 で、確認することができます。 会社の月額平均所定労働時間は会社の就業規則で確認することができます。 なお、就業規則などに明確な数字が記載されていない場合は面倒になりますが。
365日-所定休日×所定労働時間÷12
で、算出することができます。
所定労働時間とは労働基準法で定められている労働時間(法定労働時間)の範囲内で自由に会社が定めることができます。法定労働時間は1日8時間、週40時間ですので、その範囲内で定めることになります。
そしてもう一つ問題があります。
それは月給になるものはなにか、と言う点です。
月給には、基本給をはじめ各種手当も含む必要があります。家族手当、通勤手当、住宅手当など労働とはあまり関係ない従業員個人事情による手当は月給の対象とはなりません。但し、上記の手当でも労働者に一律に支給される手当の場合は月給に含まなくてなりませんので注意が必要です。
このような方法で自分の時給を算出し、自分の時給が最低賃金以上かどうか確認することができます。
万が一、最低賃金額より低い金額で労働者と使用者が契約を結んでも、それは最低賃金法によって無効となります。最低賃金額以上を支払わないと50万円以下の罰金が定められていますのでご注意ください。ただ最低賃金が減額できる例外もあります。それは都道府県労働局長の許可のもと、「最低賃金の減額の特例許可申請書」で申請し、適用することができます。
詳しくは厚生労働省のHPをご確認ください。
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-21.htm
まとめ
政府は最低賃金が全国平均、1000円になることを目標としているそうです。確かに最低賃金が引き上がることは労働者にとって嬉しいですね。しかし、経営者は人件費が嵩み経営が困難になることも。
経営ができないと今度は、雇われた労働者も仕事がなくなってしまう、なんてことにもなりかねません。
今は助成金もたくさんあります。このような制度を上手に活用して、会社と労働者を守っていければ、最低賃金の引き上げにより経済も潤いそうですね。
給与計算・労務手続きはアクト労務経営センターまでご相談ください。