社会保険料天引き
社会保険(健康保険・厚生年金保険・介護保険)の保険料は、毎月の給与より控除されます。どのタイミングで控除されるかご存知でしょうか。
入社時、退職時、保険料率の改定時など、いつ控除をしたらよいか見ていきましょう。
保険料の控除月とは
保険料の控除月は会社によって任意に対応できます。多くの会社では、翌月の給与支払い時に控除を行っています。当月控除も対応できますので、会社がどのように対応しているかによって変わってきます。
入社時の取り扱い
正社員で入社した場合、入社月より社会保険料は発生します。但し、翌月控除の会社は、翌月給与時より社会保険料が天引きされます。
例えば、
4月1日入社のAさん、当月末締め 当月25日払い、翌月控除の場合
4/1 入社日(資格取得日)
4/25 4月分の給与支払日(このときには社会保険料の控除はありません)
5/25 5月分の給与支払日(4月分の社会保険料が控除されます。)
4月1日入社のDさん、当月末締め翌月25日払い、翌月控除の場合
4/1 入社日(=資格取得日)
5/25 4月分の給与支払日(4月分の社会保険を控除)
退職時の取り扱い
従業員が会社を退職した場合、社会保険の資格喪失日は退職日の翌日となります。
そして、資格喪失日の属する月は社会保険料を徴収しません。
例えば、
3月20日退職日のBさん、当月末締め、当月25日払い、翌月控除の場合
3/20 退職日
3/21 社会保険の資格喪失日
3/25 3月分の給与支払日(2月分の社会保険料を控除、3月分は控除しない)
3月31日退職日のCさん、当月末締め、当月25日払い、翌月控除の場合
3/25 3月分の給与支給日(2月、3月分の社会保険料を控除)
3/31 退職日
4/1 社会保険の資格喪失日
保険料率の改定された場合の取り扱い
翌月控除の会社は、翌月給与時より社会保険料が控除されます。
そのため、保険料率の改定が有った翌月より、改定後の料率が適用となります。
6月1日より保険料率の改定があったAさん(月末締め 当月25日払い、翌月控除)の場合
6/1 保険料率の改定
6/25 6月分の給与支払日 社会保険料率は改定前を継続(5月分の社会保険料を控除するため)
7/25 7月分の給与支払日 社会保険料率の改定(6月分の社会保険料を控除するため)
当月に入社・退職した場合
資格取得日と喪失日が同じ月の場合は、その1か月分の社会保険料を徴収します。
例えば、
4月1日入社4月20日退職のEさん(月末締め当月25日払い)
4/1 入社日(=資格取得日)
4/20 退職日
4/21 資格喪失日
4/25 4月分の給与支払日(4月分の社会保険料を控除)
おわりに
給与計算をしていると、わかっているつもりなのに、突然不安になることがあります。社会保険料の控除月は、簡単なようで、給与担当者泣かせの一つです。
退職時、保険料率の改定時には、注意しながら業務に取り組まないとミスが発生してしまいますね。